No.370 旭川編最終話(10)-カムイの遣い

 蒼太達がいよいよ旭川を去る日がきた。蒼太が滞在中に板場に入りお世話になった「花まる亭」の人達に別れを告げ,蒼太達は午後の飛行機便までの間,「北の嵐山」や「上野ファーム」を訪れる。北の嵐山で,蒼太は富み久で使用できそうな陶器を探し出す。また上野ファームでは,蒼太が前回訪れた際に出会った謎の美女に再会する。その人は同ファームのオーナーでガーデニングの第一人者・上野砂由紀さんだったのだ。以前から,上野ファームに興味を抱いていたさつきは,砂由紀さんを目の前にして大感激。再び登ったファーム内の射的山で蒼太は,砂由紀さんから「カムイには会えましたか?」と問いかけられる。
  一方,今回蒼太が旭川を訪れたことがきっかけとなり,ジミーさんが同じ日,3年ぶりに旭川へ帰ってきた。ジミーさんと家族(妻と娘)は空港で感動の再会を果たす。
  そして,蒼太達も旭川を去るときがきた。空港には大西やその上司,加藤もかけつけてくれた。加藤によれば,今回大西が蒼太達をエスコートしたのは個人でやったことで,有休をとって一緒に回っていたという。蒼太があらためてお礼を言おうとしたが,大西はいつのまにか姿を消していた。蒼太は離陸する飛行機の中から,展望公園に立つ大西の姿を見つけた。大西が「仕事だから案内役を受けたのだ」と言いながら,実は自分の休暇を使ってまで打ち込んでくれたのは,徹底して旭川のよさを伝えると決めた彼のプライドの「形」であると,蒼太は強く思った。

〜カムイミンタラには神がいる〜

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