蘆花寄生木ゆかりの地
徳冨蘆花(とくとみ ろか) は、明治の日本文学の小説家で「自然と人生」「みみずのたはごと」などの作品を遺しています。(思想家の徳富蘇峰は実兄。)そんな蘆花の作品のひとつである「寄生木(やどりぎ)」は軍人・篠原良平が失恋の悲しみのうちに自殺をするという物語で,この主人公のモデルとなっってるのが,旭川にあった旧陸軍第七師団の見習士官小笠原善平です。そして「寄生木」は小笠原善平が(書生として世話になっていた)恩人の乃木大将のために自身の半生の小説化を願い徳冨蘆花に依頼し(その後,善平は自殺)出来上がった作品と言われています。明治43年(1910年)蘆花は,旭川を訪れて春光台を歩き「春光台腸(はらわた)断ちし若人を偲びて立てば秋の風吹く」と詠み(=この碑は春光台公園にほど近い旭川実業高校敷地内にあります。),自ら命を絶った善平を偲んだのです。植物の寄生木(やどりぎ)は春光台の風物の一つであり,小笠原善平は乃木将軍に身を寄せる自らの身を「寄生木」に重ねていたのです。

このような経緯で,徳冨蘆花が旭川を訪れたことを偲び,昭和33年(1958年)に市観光課の手により建設されたのが「蘆花寄生木ゆかりの地」の碑なのです。
所在地 旭川市春光台公園内(近文5・6線3号から5線5号)
駐車場 あり
アクセス 旭川空港から車で60分。JR旭川駅から車で25分。